星を祀る

「星の都 さよう」における星辰信仰の中心を担う諸尊

ご 本 尊  薬 師 如 来

当山常光寺の本尊は秘仏の薬師如来です。

「薬師」とは、仏が衆生に対して法を説き、無明の病を治すことを、世間の医師が患者の病状に応じて良薬を与え、病気を治すことに喩えます。

具には薬師瑠璃光如来ともいい、東方浄瑠璃世界において、日光・月光の二菩薩および十二神将、七千夜叉を従えます。瑠璃(ラピスラズリ)は古来より「星のきらめく天空のかけら」と呼ばれ神聖視されてきました。また、『仏説北斗七星延命経』には薬師如来を人の一生を司る北斗七星に当てているように私たちを常恒に守護してくださいます。

そして、眷属の日光・月光菩薩は各々昼(日光)・夜(月光)を守護し、十二神将は十二時を別々に守護してくださるのです。

当山では毎朝、薬師法を修し、檀信徒の結縁仏法、罪障消除、発菩提心、福智円満をご祈念いたしております。

 

 

真言に曰く、オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ

護摩堂本尊 妙 見 菩 薩

真言に曰く、オン ソヂリシュタ ソワカ

当山の護摩堂本尊は妙見菩薩です。その尊名については、『七仏所説神呪経』巻二に「我れ北辰菩薩、名けて妙見と曰う。今、神呪を説いて諸々の国土を擁護せんと欲す。所作、甚だ奇特なるが故に、妙見と曰う。閻浮提に処して、衆星中の最勝、神仙中の仙、菩薩の大将なり」と説かれています。

尊体については、北斗七星の本地、または北斗七星の第六星に付随する輔星とする等の説もありますが、当山では上記の経説より、妙見菩薩とは北辰(北極星)であると口訣しております。

そして、北辰(北極星)は不動の星であることから、中国では古来より帝王の象徴とし、衆星の至尊「尊星王(そんじょうおう)」ともいいます。

また、神道においては天之御中主大神、道教においては鎮宅霊符神として盛んな信仰をみます。

当山の妙見菩薩は青龍の上に片足で立つ四臂の菩薩形です。頂上には鹿の頭を載せ、左右の手には太陽と月を掲げ、錫杖と三叉戟を持ち、光背には狐、白虎、豹、象が太陽や月と戯れる極めて神秘的なお姿です。まさに、星宿随一の佐用町に現れるべくして現れたといっても過言ではありません。

当山では妙見護摩供を修し信徒各位の開運厄除ならびに日本国土の安穏をご祈念いたしております。

 

妙 見 菩 薩(非公開)

ご真言/オン ソヂリシュタ ソワカ・オン マカシリエイ ヂリベイ ソワカ

 

当山秘蔵の絹本に肉筆された妙見菩薩像です。

この妙見菩薩は左手に持つ蓮華の上に北斗七星を載せ、右手に説法印を結び、身には天衣と瓔珞を纏い、さらに耳飾りや首飾り、腕輪にて荘厳し、五色の雲に坐したお姿です。

星 曼 荼 羅(非公開)

当山秘蔵の絹本に肉筆された星曼荼羅です。

この曼荼羅は釈迦金輪を中尊として、その周囲に北斗七星、十二宮、九曜星、二十八宿を配して諸尊を種子で表す香隆寺寛空(884―972)の様式です。

また、梵字は慈雲流の大家である松本俊彰大和上の筆によるものです。

礼文に曰く、南無当年星本命星元辰星

      (なむとうねんじょうほんみょうじょうがんじんじょう)

又曰く、南無七曜九曜十二宮二十八宿

          (なむしちようくようじゅうにくうにじゅうはっしゅく)

七 星 如 意 輪

本堂の北側に坐します七星如意輪は北斗七星と訶利帝母を眷属とする六臂の如意輪観音です。求児安産、怨敵退散を祈ります。

 

真言に曰く、オン バラダ ハンドメイ ウン

青 龍 権 現

神号に曰く、南無青龍権現(なむしょうりゅうごんげん)

七星如意輪の北側に祭祀する青龍権現は当山に伝わる真言密教の法流の一つである安祥寺流の守護神です。阿耨達池の龍王とも善如龍王であるとも伝えます。

 

阿 弥 陀 如 来

真言に曰く、オン アミリタ テイセイ カラウン

当山常光寺と境内を一具にする横坂八幡神社のご祭神・八幡神の本地仏である阿弥陀如来です。

本地垂迹(ほんじすいじゃく)という神仏習合の思想では、日本在来の神々は衆生救済のために、この世に現れた仮の姿で、本来の姿は仏・菩薩であるとします。

弘 法 大 師

ご宝号に曰く、南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)

 

弘法大師は真言宗の開祖であり、また多くの密教経典を日本に将来されました。その中に、密教占星術の根本経典『宿曜経(しゅくようきょう)』があります。そして、日本で初めてこの『宿曜経』を用いたと考えられています。

弘法大師の命懸けの入唐求法がなければ、今の真言宗はおろか当山の星宿信仰もなかったことでしょう。

十 一 面 観 音

当山本堂に祭祀する歓喜天(聖天)の本地仏である十一面観音です。

その尊容は十一面二臂像で左手に軍持瓶、右手に念珠を持ちます。

 

真言に曰く、オン マカ キャロニキャ ソワカ

歓 喜 天

真言に曰く、オン キリク ギャク ウン ソワカ

歓喜天は聖天ともいい、その尊容は象頭人身の奇体で秘天中の秘天です。

この天尊に祈れば成就しない願いはないとされます。

不 動 明 王

真言に曰く、ノウマクサンマンダ バザラダン センダ マカロシャダ ソワタヤ

                  ウンタラタ カンマン

護摩堂に祭祀する不動明王です。

その尊容は大盤石の上に坐し、一切の煩悩魔障を焼き尽す大火炎を光背となし、目をむき、牙を出し、右手に智剣、左手に羂索を持ちます。そして、頭頂には如意宝珠を載せるという深秘の姿です。

兜 跋 毘 沙 門 天

真言に曰く、オン バイシラ マンダヤ ソワカ

護摩堂に祭祀する兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)です。

その尊容は金鎖の甲冑を着し、右手に宝塔、左手に戟を持ちます。そして、地天女に両足を支えられて立ち、尼藍婆・毘藍婆の二鬼を従えています。

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