星を祀る
「星の都 さよう」における星辰信仰の中心を担う諸尊
ご 本 尊 薬 師 如 来
ご真言/オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ
分立山常光寺のご本尊は秘仏の薬師如来です。
薬師如来は日の出の方角・東方浄瑠璃世界の教主であるので、太陽に喩えるなら朝日の如き仏さまです。朝日を拝むと私たちの心身は清らかになり元気が出ます。「薬師」とは医者が患者の病状に合わせて薬を与え、病気を治すことに喩えて、そのお名前があるように、私たちに仏教の教えの薬を与え、朝日の如き智慧の光によって苦しみの元となる煩悩を治してくださります。
正式には薬師瑠璃光如来といい、瑠璃とはラピスラズリのことです。ラピスラズリは古来より「星のきらめく天空のかけら」と呼ばれ神聖視されてきました。また、『仏説北斗七星延命経』や『薬師瑠璃光七仏本願功徳経』に薬師如来を北斗七星にあてているように薬師如来は星に関わる仏さまでもあります。
当山では毎朝、薬師法を修し、檀信徒の結縁仏法、罪障消除、発菩提心、福智円満をご祈念いたしております。
阿 弥 陀 如 来
ご真言/オン アミリタ テイセイ カラウン
当山の阿弥陀如来は横坂八幡神社のご祭神である譽田別命(ほんだわけのみこと)のご本地仏です。
日本の長い歴史の中で、日本在来の神々は衆生救済のために、この世に現れた仮のお姿で、本来のお姿は仏・菩薩であるという本地垂迹(ほんじすいじゃく)の考え方がありました。その神仏習合時代には譽田別命を八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)とも称していて、それが横坂八幡神社の名前になっています。
阿弥陀如来は日の入りの方角・西方極楽世界の教主であるので、太陽に喩えるなら夕日の如き仏さまです。夕日を拝むと煩悩が払われるように、当山の阿弥陀さまは、夕日の如きやさしい光明で私たちを包んでくださります。
祈 祷 本 尊 妙 見 菩 薩
ご真言/オン ソヂリシュタ ソワカ・オン マカシリエイ ヂリベイ ソワカ
当山の祈祷本尊は妙見菩薩です。妙見菩薩は「衆星中の最勝」と謳われ、別名を尊星王(そんじょうおう)ともいい、天の真北に輝く北極星を仏教で尊格したものです。
また、ご本尊の薬師如来が、私たちの救済のために、当山に妙見菩薩として示現した垂迹のお姿でもあります。
当山の妙見菩薩は青龍の上に片足で立つ四臂(四本腕)の菩薩形です。頂上には鹿の頭を載せ、左右の手には太陽と月を掲げ、錫杖と三叉戟を持ち、光背には狐、虎、豹、白象が太陽や月と戯れる極めて神秘的なお姿です。まさに、星宿随一の佐用町に現れるべくして現れたといっても過言ではありません。当山では毎夜、妙見供を修し信徒各位の転禍為福ならびに、佐用町はもとより日本国土の安穏をご祈念いたしております。
妙 見 菩 薩 (非公開)
ご真言/オン ソヂリシュタ ソワカ・オン マカシリエイ ヂリベイ ソワカ
文殊庵蔵の絹本に肉筆された妙見菩薩です。
この妙見菩薩は五色の雲上に坐し、右手を上げて施無畏印とし、左手に持った蓮華の上に北斗七星を載せるといった数少ない貴重な仏画です。
庵主覚隆房の念持仏のため、一般には公開されていません。
北 斗 曼 荼 羅
北斗曼荼羅は星曼荼羅の一種で、この曼荼羅では釈迦金輪を中尊として、その周囲に北斗七星、十二宮、九曜星、二十八宿を配して諸尊を梵字で表しているのが特徴です。梵字は慈雲流の大家である松本俊彰大和上の筆によるものです。
2月の星祭の期間のみに、星祭のご本尊として奉祀されます。
弘 法 大 師
ご宝号/南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)
弘法大師は真言宗の開祖であり、また多くの密教経典を日本に将来されました、その中に、密教占星術の根本経典『宿曜経(しゅくようきょう)』があります。そして、日本で初めてこの『宿曜経』を用いたと考えられています。
弘法大師の命懸けの入唐求法がなければ、今の高野山も真言宗も、当山はおろか星の信仰もなかったことでしょう。
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星の道場 高野山真言宗 分立山 常光寺 JYOKOJI
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